2022.10.19
ブチッ。痛っ。これあかんやつ。 肉離れについて
【1.肉離れとは?筋肉痛と違うの?】
肉離れとは瞬間的に筋肉が引き伸ばされると 同時に収縮する時に起こる筋肉の断裂のことです。
筋の部分断裂と言われます。
更に重傷の時は完全に断裂することもあります。
筋肉痛は部分断裂よりも少ない筋繊維が断裂 している状態のことをいいます。
筋肉痛のひどいバージョンが肉離れということになります。
【2.痛めた筋肉はどんな状態?】
筋肉は細い繊維(筋繊維)が 1本、1本束になってできています。
筋肉の大きさによって違いがありますが
何万~何百万以上の繊維が集まって筋肉となっています。
次の図で肉離れがどんな状態なのかを見てみましょう。
黄色で示した部分が筋繊維が切れた部分です。
【3.痛めやすい筋肉って?】
太ももの裏(ハムストリング)や
太ももの前(大腿四頭筋)
ふくらはぎ(下腿三頭筋)が多いです。
【4.どんな時に肉離れを起こす?】
急な全力ダッシュ、ジャンプで筋肉が一瞬で縮む時に起きやすいです。
【5.どんな人が肉離れになりやすい?】
〇ハードな練習をして筋肉痛になっている人
〇日ごろのケアでのストレッチ不足などにより筋肉自体が硬くなっている人
〇筋バランスに偏り(かたより)がある人
例)太もも前の筋力は強く太もも裏の筋力が弱いパターン
太ももの前と裏は主動筋・拮抗筋といって
膝と股関節を曲げ伸ばしをする動作で
反対の動きをしますが、裏表についている筋力に
差があると、弱かったもも裏の筋肉が耐え切れず
痛んでしまうことになります。
この場合はリハビリの中で太ももの裏の
筋力アップとダッシュなどで意識して太もも裏を使う、
「動作」のトレーニングをしていく必要があります。
【6.肉離れは治るの?】
〇筋肉には血管が通っているので元の状態に治ります。
ただし筋肉に傷がついたままの状態やストレッチをサボって
筋肉が硬いままの状態など完全に治さずに復帰してしまうと
再受傷する確率が高まってしまいます。
〇完治までのポイントは3つ痛み
「伸ばした時の痛み」「力を入れた時の痛み」「押した時の痛み」の3つが
無くなれば復帰をしてから再受傷する確率が低下します。
【7.どうやって治していくの?】
ただただ安静にして、ある程度良くなって復帰しても受傷前の
パフォーマンスと同じように体は動きません。
復帰プランを立てて、できる事から体を動かしていけば早期復帰に近付きます。
なんなら受傷前より体のキレを良くしたいと思いませんか?
その為の方法を例を挙げて説明しましょう。
ポイントは3つの痛みから状態を把握しながら
鍛えている部位を意識して使うリハビリメニューです。
例)右太もも裏(ハムストリング)の肉離れでのリハビリ(野球の場合)
〇受傷後0~3日 患部は圧迫固定で安静。右足は患部以外の
足首や足指の運動・左足のストレッチや筋トレ・体幹トレーニング
〇1週間~2週目 ストレッチ・患部含めた筋トレ・ウォーキング
エアロバイク・バランスディスクを使いバランストレーニング
踏込み足50%の力でキャッチボール&素振り
〇3~4週目 負荷を上げた筋トレ・ジョギング~ランニング
100%素振り&キャッチボール
〇5週目 ダッシュやサイドステップ・ベースランニング・ノック・遠投
〇6週目 3つの痛みが無くなったのを実感し完全復帰
例では6週間目で完全復帰ですが、個人差もあるのであくまでも期間は目安です。リハビリの進め方は同じです。
段階をみてできる部分は行う!
これが受傷前より体力も落とさずに、バランス力も身に付け、
体のキレが良い状態での早期復帰に繋がります!
【8.最大の予防策はウォーミングアップ・クールダウンを適当にしない事と日々のストレッチ!!】
1番は肉離れを起こさない事です。
練習前のウォーミングアップで筋肉を温める事を意識する!
練習後のクールダウンで筋肉を緩める事を意識する!!
家に帰ってから柔軟性を高める為毎日ストレッチする!!!
太ももの裏・太もも前・ふくらはぎのストレッチを
毎日1種目20秒×3セットをお風呂上りや寝る前に息を止めず、
反動つけず、痛い所まで伸ばさないようにしましょう。
【9.高校生以下は剥離(はくり)骨折にも注意!】
今回は肉離れの内容でしたが、筋肉が付着している骨の部分が
筋肉に引っ張られ剥がれてしまう剥離骨折も起きやすい年代です。
なってしまうと復帰までの時間は肉離れよりもかかる可能性が高まるので
運動時に股関節の前やお尻の付け根に痛みが出る場合は我慢して
練習を続ける前に、病院や整骨院等の受診をお勧めいたします!!